中古品の売買やリユースビジネスが広がる中、「古物商許可が必要です」と言われて初めて調べる方も多いのではないでしょうか。
実は、フリマアプリでの転売や中古ブランド品の販売も、一定の条件を満たすと古物営業法の対象になり、古物商許可が必要になります。
この記事では、古物商許可の基本から、「どんな場合に必要なのか」「取得の流れ」「注意すべきポイント」まで、初めての方向けにわかりやすく解説します。
■ 古物商許可とは?
古物商許可とは、警察(公安委員会)から得る営業許可の一種で、「中古品などを売買・交換する事業」を行う際に必要です。
許可は、営業所のある都道府県の公安委員会に申請し、許可を受けることで営業を開始できます。
■ 「古物」とはどんなもの?
古物営業法で定める「古物」とは、以下のような物品です
- 一度使用されたもの(中古品)
- 未使用でも一度でも取引されたもの
- 修理・再生されたもの
具体的には:
分類 | 例 |
---|---|
衣類 | 古着、ブランド服、靴、バッグ |
機械工具類 | パソコン、スマホ、家電 |
書籍 | 古本、雑誌、漫画 |
美術品 | 絵画、骨董品 |
時計・宝飾品 | ブランド時計、アクセサリー |
※新品でも「仕入れて売る」場合は古物ではなく「小売業」として扱われます。ただし、「中古買取あり」の場合は古物商が必要になります。
■ 古物商許可が必要なケース
以下のような営業形態では古物商許可が必要です
- 中古品の買取・販売をするリサイクルショップ
- メルカリ・ヤフオクで継続的に中古品を仕入れて転売
- 中古ブランド品のネットショップ運営
- 古本・中古ゲームの買い取りと販売
- 中古車、中古バイクの販売業者(※別途自動車商に分類)
一方で、以下のようなケースは許可不要とされています
- 自分の不用品をたまにフリマに出すだけ
- 家族や知人の不要品を代理で出品してあげる
- 商品がすべて新品かつメーカー・正規卸からの仕入れのみ
→ 営利目的で継続的に中古品を扱う場合、古物商許可が必要と判断されます。
■ ネット販売でも許可が必要?
結論:ネット販売でも古物商許可は必要です。
店舗がなくても、たとえば以下のような販売形態は対象になります
- BASEやSTORESでの中古品のECサイト
- InstagramやLINEでの中古アクセサリー販売
- メルカリで中古家電を仕入れて転売
なお、フリマアプリで「不用品を売るだけ」であれば不要ですが、中古品を仕入れて転売する場合は商売とみなされ、許可が必要になります。
■ 古物商許可の取得に必要なもの
▼ 主な提出書類
- 古物商許可申請書(各都道府県の様式)
- 住民票(個人)、登記簿謄本(法人)
- 誓約書・略歴書
- 身分証明書(本籍記載のもの)
- 賃貸契約書や使用承諾書(営業所が賃貸の場合)
- 法人の定款(法人のみ)
▼ 費用と期間
- 申請手数料:19,000円(全国一律)
- 審査期間:約40日程度(地域により差あり)
■ 許可後の義務と注意点
許可を取ったあとは以下のような義務があります
- 古物台帳(取引記録)の記載・保存義務
- 標識(プレート)の掲示義務
- 営業所の変更や代表者変更時の届出
- 古物を盗品と知って扱った場合は処罰の対象に
許可は一度取得すれば更新制ではありませんが、事業内容や所在地が変わった場合は必ず届出が必要です。
■ まとめ:古物商許可は「ネットでも」安心して商売をするために必要
中古品ビジネスや転売、副業の普及によって、古物商許可の重要性は年々増しています。
知らずに無許可営業をしてしまうと、「古物営業法違反」となり、罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象にもなりかねません。
「自分の場合、許可が必要かわからない」
「法人化と同時に取得したい」
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