相続手続きで必要な書類まとめ【死亡後すぐ必要なもの一覧】

身近な方が亡くなった後、遺族が直面するのが「相続手続き」です。
葬儀が終わって一息つく間もなく、銀行口座の凍結解除、遺産分割、不動産名義変更、税務申告など、多くの事務手続きが必要になります。

これらの手続きを円滑に進めるためには、早い段階で必要な書類を揃えておくことが大切です。
この記事では、死亡後すぐ必要になる書類を一覧形式で整理し、それぞれの取得方法や注意点も解説します。


■ 死亡直後にまず必要となる書類

1. 死亡診断書または死体検案書

  • 発行者:医師または警察(検視)
  • 用途:火葬許可申請、死亡届提出などに使用
  • 病院で亡くなった場合は医師が発行します。交通事故などの場合は「死体検案書」となります。

2. 死亡届(おくやみ手続きの出発点)

  • 提出先:市区町村役場(死亡地または本籍地など)
  • 死亡届を提出することで、戸籍が閉じられ、火葬許可証が発行されます。

3. 火葬許可証・埋葬許可証

  • 発行元:市区町村役場
  • 葬儀・納骨に必要な書類です。自治体によっては火葬後の許可証が埋葬許可証になります。

■ 相続手続きに必要な基本書類

4. 戸籍謄本一式(被相続人の出生から死亡までのすべて)

  • 用途:相続人の確定のため
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍の流れをすべて取り寄せる必要があります。養子縁組や離婚歴があると、複数の自治体にまたがる場合もあります。

5. 相続人全員の戸籍謄本・住民票

  • 相続関係説明図の作成や不動産登記に必要
  • 被相続人との関係性を示す戸籍と、現在の住所を示す住民票が求められます。

6. 被相続人の住民票除票または戸籍の附票

  • 不動産登記、預貯金手続きに必要
  • 亡くなった人が「どこに住んでいたか」を証明する書類です。

7. 遺言書(あれば)

  • 種類:自筆証書、公正証書、秘密証書
  • 自筆証書遺言がある場合は、家庭裁判所で検認手続きが必要となります(公正証書遺言には検認不要)。

■ 財産に関する書類(相続財産の確認用)

8. 預金通帳・残高証明書

  • 銀行口座の名義変更・払い戻しに必要です。通帳がない場合は、残高証明書を金融機関で発行してもらいます

9. 不動産の登記簿謄本・固定資産評価証明書

  • 相続登記の際に必要です。評価証明書は、相続税評価額を算定するためにも使用します。

10. 有価証券・株式などの保有明細

  • 証券会社に問い合わせて、被相続人名義の資産がないか確認します。

11. 保険証券(生命保険など)

  • 生命保険金の請求に必要です。被相続人が加入していた保険会社に直接問い合わせを。

■ 遺産分割のための書類

12. 遺産分割協議書(相続人全員の署名・押印が必要)

  • 相続人が2人以上いる場合、遺産の分け方を明確にする書類です。協議が整わないと不動産や預貯金の名義変更ができません。

13. 相続関係説明図(相続人の関係を図式化したもの)

  • 登記や金融機関の手続き時に提出を求められることが多いです。

■ 相続税申告が必要な場合の書類

相続財産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、相続税の申告が必要になります。

その場合はさらに

  • 財産目録(相続財産の一覧)
  • 相続税申告書(税理士作成)
  • 相続税の納税用紙

なども必要となります。税理士と連携するのが一般的です。


■ まとめ:必要書類は「早めの準備」と「正確な収集」がカギ

相続手続きでは、多くの書類を準備しなければならず、戸籍の取り寄せに数週間かかることもあります。
また、金融機関や法務局など提出先ごとに必要書類が微妙に異なるため、正確な確認が必要不可欠です。

行政書士は、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成、戸籍収集の代行など、相続に関する幅広い手続きのサポートが可能です。

「何から手を付けていいかわからない」「必要書類が足りているか不安」という場合は、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。

この記事を書いた人

岐阜県行政書士会に所属の行政書士です!
資格予備校で公務員講座専任講師も行っております。 
元役場職員の行政の視点からお客様問題解決を図ります!

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