風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業の違いとは?

~ガールズバー、バー、スナックを開業する方必見!~

「風俗営業許可が必要なのはキャバクラだけ?」
「ガールズバーなら深夜営業できる?」
実際、風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業(いわゆる「深夜営業」)は似ているようで全く異なる制度です。業態によっては、届け出だけでOKなケースと、警察の厳しい審査を受けなければならないケースがあるため、誤って無許可営業になることもあります。

この記事では、行政書士の視点から、風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業の違いを具体的に解説します。


そもそも「風俗営業」とは?

風俗営業とは、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)に定められた営業のことです。代表的なのは以下のような業種です

  • キャバクラ
  • ホストクラブ
  • スナック(接待あり)
  • ラウンジ(ホステスが接客する場合)

これらの業態に共通するのが、「接待行為」が存在するという点です。
法律上、“接待”とは、客に対して歓談、談笑、隣に座る、カラオケでデュエットする、お酌をするなどの行為を指します。

したがって、たとえカウンター越しのバーであっても、スタッフが「接待」を行えば、それは風俗営業の対象となり、許可が必要になります。


深夜酒類提供飲食店営業とは?

一方で、「深夜酒類提供飲食店営業」とは、接待を行わず、午前0時以降にお酒を提供する飲食店のことを指します。

例としては

  • バー
  • ダイニングバー
  • カフェバー
  • 接待なしのガールズバー(形式上)

この営業には、許可は不要ですが、営業開始前に所轄の警察署へ「届出」が必要です。風俗営業と違って、構造要件(内装基準)も比較的緩く、申請から営業までのハードルが低いのが特徴です。


許可と届出の違いとは?

項目風俗営業深夜酒類提供飲食店営業
根拠法風営法風営法
接待ありなし
深夜0時以降の営業原則禁止可能(届出が必要)
必要な手続き許可申請(審査あり)届出(審査なし)
所要期間約2か月約10日~2週間
図面・用途地域制限必要(厳格)必要(比較的緩やか)

よくある誤解「ガールズバーは許可いらない?」

多くの方が勘違いしやすいのが、ガールズバーの位置づけです。
カウンター越しに女性が接客するだけなら深夜酒類提供飲食店として届出で済むこともありますが、実態として「隣に座る」「会話が過度に親密」「お酌をする」などがあれば、それは風俗営業に該当します。

重要なのは、店の看板や業態名ではなく、“実際の接客内容”で判断されるという点です。


立地制限にも違いがある

風俗営業を行うには、営業場所の用途地域(都市計画)の制限があります。学校・病院などからの距離制限もあり、そもそも申請できない地域も存在します。

一方、深夜酒類提供飲食店は、風俗営業よりも立地制限が緩やかで、比較的多くの場所で営業可能です。
とはいえ、近隣住民とのトラブル回避のために、立地選定は慎重に行うべきです。


開業するなら最初に「業態」を明確に!

  • 接待あり:風俗営業許可(1号営業)
  • 接待なし・深夜営業あり:深夜酒類提供飲食店届出
  • 接待なし・深夜営業なし:飲食店営業許可のみ(保健所)

「あとで届出でいいと思ってたら、警察の指導が入った」という事例も少なくありません。開業時点で、自分の店がどの営業区分に該当するか、専門家と相談することが非常に重要です。


まとめ:接待があるかどうかがすべての分かれ道

風俗営業と深夜酒類提供飲食店の違いは、接待の有無と営業時間によって決まります。

  • 接待がある→風俗営業許可(原則0時以降営業不可)
  • 接待がない→深夜酒類提供飲食店届出(0時以降営業OK)

どちらの制度にも独自のルールがありますので、安易に判断せず、開業前の段階でしっかり確認しておくことが成功のカギとなります。

当事務所では、風俗営業・深夜営業の許可・届出サポートを多数行っております。
業態判断のご相談から、図面作成・警察署対応・迅速な申請まで一貫して対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

岐阜県行政書士会に所属の行政書士です!
資格予備校で公務員講座専任講師も行っております。 
元役場職員の行政の視点からお客様問題解決を図ります!